近年、医学の著しいスピードの発展が目に付く今日この頃。
例えば、先進医療という分野に関しても、つい数年前までは5~10種類程度しかなく、治療をうけれる病院も全国で片手で数えるほどといったような状態でした。
ですが今は、先進医療も100種類を超え、最新の医療分野が発展しているということがわかります。
そして先日、こんなニュースが話題になりました。
「錠剤にごく小さなセンサーを埋め込んだデジタル錠剤を承認した」という。
そこで今回は、そんな「デジタル錠剤」についてのメリットやデメリット、認知症にも効果があるの?についてまとめていきました。
デジタル錠剤とは?
デジタル錠剤とは、そもそも何なのでしょうか?
おおまかな使い方としては、本来服用する錠剤にごく小さなセンサーを埋め込んだものを服用してもらいます。
その服用した錠剤が胃液で溶け始めると、その小さなセンサーから信号が発信されます。
その信号を体に付けているパッチ(検出器)が受診しそこから、スマートフォンやタブレットといったデータ機に送信されるというシステムになっています。
そのセンサーの大きさは約3ミリとのこと。
錠剤にセンサー
↓
服用
↓
胃で溶けると信号を発信
↓
体外の小型器で受診
↓
スマホなどのデータ機に転送
簡単な流れはこんな感じですね。
単純といえば単純ですが、なかなか実用に至っていなかったのが現状でした。
そしてある一定の時間を経て、センサーは排泄物と一緒に体外へと出てきます。
これによく似たのが、小型カプセル型内視鏡ですかね。
小型カプセルにカメラが搭載されていて、食道→胃→腸を経て排出されます。
そのカメラで撮られた画像から、腫瘍や異常を発見するといった仕組み。
内視鏡検査はツラいといったイメージが強いので、発表されたときはかなり話題になりました。
ご存知の方も多いのではないかと。
現在は自宅でこんな検査ができちゃうんですね。
デジタル錠剤は認知症に効果的?
ではこのデジタル錠剤の仕組みは分かったけど、認知症にも効果的といったことはどういうことなのでしょうか?
蓋を開けてみると、このデジタル錠剤が直接、認知症に効くといった意味合いではありませんでした。
認知症の患者さんに限らず、例えばうつ病といった患者さんにも有効的ではないかと。
それは、このシステムにあります。
認知症やうつ病といった患者さんが、薬をしっかりと飲んでいるかといったような状況の把握に一役かうのではないかということ。
認知症患者さんの場合だと、どうしても薬を飲み忘れてしまうといった、服用管理が難しいといった問題点がありました。
そしてそれはうつ病患者さんの場合でも同じで、実際は薬を服用していないということが課題に挙がっていました。
ですが、今回のデジタル錠剤が実用化になっていけば、こういった課題が解消されるのでは?ということで期待されています。
デジタル錠剤のメリットとデメリット
ではこんなデジタル錠剤を実用化していくに際しての、メリットやデメリットについて考察していこうと思います。
どんなものでもそうですが、なかなかメリットばかりというようにはいかないものです。
ここではそんなデジタル錠剤のメリットとデメリットについてまとめていきます。
デジタル錠剤のメリット
デジタル錠剤のメリットは何が挙げられるでしょうか?
まずはいままで触れてきたように、薬の服用状況をデータとして把握することができるということですよね。
今までは、患者さんや家族の方に服用状況を確認するのみの方法したありませんでしたが、こういった情報を自動的にデータとして管理できるので、正確性が増します。
そして家族の方の負担も減りますよね。
他には、データで管理するので、家族やお医者さんがその情報を共有できるということですね。
例えば離れて暮らしていたとして、今日薬を飲んでいないということがスマホを通じて家族の方が分かれば、それに対して対処をすることが可能になります。
・情報を共有できる
・薬の服用を正確に管理できる
といった部分がメリットになるのではないでしょうか。
デジタル錠剤のデメリット
反対にデジタル錠剤のデメリットに関して。
これはデメリットというよりかは、課題といった感じでしょうか。
次のものが挙げられると思います。
・デジタル錠剤のコスト
・安全性
・プライバシーの問題
コストの問題に関しては、まだ価格がどうこうといった情報はでてきていないので、なんとも言えないのが現状です。
そして保険の適用範囲になるのかといった点にも注目が集まります。
次に安全性については、現段階では体内に悪影響を及ぼしたという症例は出ていないということです。
今後もデジタル錠剤を治療に導入し、フィードバックを得ていくとのこと。
最後にプライバシーの問題。
患者さんの同意を経てデジタル錠剤を導入するのは当たり前ですが、そのデジタル錠剤のデータが外部に漏れてしまうのでは?といった点です。
例えばですが、デジタル錠剤を使っているという情報がもし外部に漏れてしまった場合に、その情報を悪用されるといったことも考えられなくはありません。
デジタル錠剤で治療
↓
何らかの問題を抱えている(例えば認知症)
↓
情報が漏れる
↓
周囲の情報を調べられる
↓
オレオレ詐欺等に狙われやすくなる
可能性はなくはないですよね。
いまやクレジットカードのパスワード等も盗まれてしまうといった状況です。
なので、デジタル錠剤の情報を得ることはさほど難しいことではないでしょう。
デジタル錠剤のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、デジタル錠剤についての使用方法、メリットとデメリットについて触れていきました。
ざっとまとめると、
・錠剤にセンサーを埋め込んで使用
・認知症患者さん等の薬の管理に効果的
・実用のコストは課題
・プライバシーの問題にも課題あり
といった内容でした。
最後に挙げたプライバシーの問題に関しては、こういった情報を悪用する人がいなければ気にする必要のない課題なんですけどね。
これから徐々に治療に組み入れていって実用化を目指していくとのことなので、これからの医療の進歩にも注目ですね。
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