佐々木譲原作の「沈黙法廷」がwowowでテレビドラマとして放送されました。
主演には約2年ぶりのテレビドラマとなる「永作博美(46)」さんが抜擢。
主人公「山本美紀」役を演じることになりました。
そして他の配役には、市原隼人さん、大倉孝二さん、北村総一郎さん、杉本哲太さん、などなど、豪華俳優陣の方が揃いました。
なんといっても永作博美さん&市原隼人さんの共演は目を引きますし、それぞれ多くのファンの注目も高いのではないじゃないでしょうか。
そこで今回は「沈黙法廷」が放送されるにあたって、その概要のまとめ、さまざまな目線からの考察や見解をしてみましたので、ぜひ楽しんでいってください。
沈黙法廷の放送日
放送開始(初回放送日)は、2017年9月24日(日)22時~ wowowプライムにてスタートになります。
全5話での放送。
毎週日曜の22時~からといった深い時間帯での放送になるので、観る側としても比較的落ち着いて観れるのではないでしょうか。
沈黙法廷の概要
ここでは沈黙法廷の、あらすじ、キャスト・スタッフ、相関図等の概要に触れつつ、考察をしていこうと思います。
沈黙法廷のあらすじ
高見沢弘志を演じる市原隼人は、突然居なくなった恋人を忘れられず、ずっと行方を捜していた。
その頃、都内(赤羽)でひとり暮らしをする資産家の老人(北村総一朗)が、絞殺体で発見される。
管轄の刑事、伊室真治(杉本哲太)と西村敦子(臼田あさ美)は、隣人の証言や残された証拠から家事手伝いの女、山本美紀(永作博美)にたどり着く。
伊室真治らは警視庁の捜査一課と合流し、美紀宅に急行するが、一足違いで埼玉県警に彼女の身柄を拘束されてしまう。
ちょうどその現場に居合わせた弘志。
ずっと捜し続けた彼女は、目の前で警察に連れて行かれてしまう。
そして美紀が連続殺人犯としてマスコミの報道は過熱する。
弘志は、弁護士の矢田部完(田中哲司)と一緒に、彼女の真実を探るため奔走する。
それぞれが抱く美紀の人物像は十人十色。
その上、美紀は裁判中に突然黙秘。
事件は迷走していく。
彼女は悪女か、それとも淑女なのか…
沈黙法廷のキャスト・スタッフ
永作博美【役:山本美紀】
アコムのCMでもおなじみの言わずとしれた名女優さんですね。
2009年には映像作家の内藤まろさんと結婚。
2010年に第1子となる男児を、2013年に第2子の女児を出産しました。
仕事、プライベートともに順調なようですね。
こちら↓も良ければあわせてどうぞ。

市原隼人【役:高見沢弘志】
こちらも『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』や、連続ドラマ『ROOKIES』といった名作に名を連ね、現在は舞台でも活躍している実力派俳優さんですね。
大倉孝二【役:鳥飼達也】
舞台をはじめ、各媒体で活躍。
優柔不断な青年・コミカルな役・ひねくれ者の役など、クセとインパクトのある役柄を演じることが多く、「キリン生烏龍」などのCMにも出演しています。
映画『ピンポン』や、大河ドラマ『新選組!』、バラエティー番組にも出演し、活躍の場が広い俳優さんですね。
臼田あさ美【役:西村敦子】
元モデルから女優さんへと転身し、映画やドラマに出演。
2017年1月には、ロックバンド・OKAMOTO’Sのドラマー・オカモトレイジとの結婚も話題になりました。
藤本泉【役:立花亮子】
テレビドラマ「リバース」や映画「猫忍」など数々の作品に出演中の女優さん。
事務所は「スターダスト」で、憧れの女優は常盤貴子(事務所の先輩)さんと、深津絵里さんとのこと。
寿大聡【役:石橋康】
学生時に役所広司さんに憧れ、役所さんが在籍していた「演劇の東大」と言われる難関「無名塾」に入り、舞台俳優に。
最近は幅広い活躍を感じますね。
甲本雅裕【役:高井陽介】
甲本ヒロトの実の兄であり、ポッカの「キレートレモン」のCMではザ・ハイロウズがCMソングを担当し、初めて兄弟共演を果たして話題になりましたね。
映画「リンダ リンダ リンダ」のも出演した個性派俳優さんです。
金田明夫【役:新庄】
口うるさい中間管理職役などで多く起用される、名脇役。
最近は、この人の右に出る脇役はなかなか居ないのではと思わせる活躍っぷりです。
北村総一朗【役:馬場幸太郎】
この人といったらやはり「踊る大捜査線」のイメージが強いのではないでしょうか。
他にも北野武監督の「アウトレイジ」にも出演し、さまざまな役として活躍してますね。
杉本哲太【役:伊室真治】
バラエティ番組や旅番組でもちょいちょい見かける名俳優さんのひとり。
左利きで面白いっといった印象が強いですかね。
田中哲司【役:矢田部完】
近年は、映画 「ビリギャル」をはじめ、テレビドラマや映画でも名バイプレーヤーとして数多くの作品で活躍しています。
脚本: 尾崎将也(連続テレビ小説「梅ちゃん先生」)
三浦駿斗(「連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」)
監督: 村上牧人(「連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」「連続ドラマW 誤断」)
東田陽介(「水族館ガール」)
音楽: 遠藤浩二(連続テレビ小説 「とと姉ちゃん」『悪の教典』)
沈黙法廷の相関図
沈黙法廷のここまでの見解・考察
見どころは大きく分けて4点かなと思います。
1つは高見沢弘志(市原隼人)と山本美紀(永作博美)の恋の行方。
高見沢弘志(市原隼人)は、突然消えた恋人を忘れられず、ずっと行方を捜していた。
一方、山本美紀(永作博美)は連続殺人犯として警察やマスコミから疑いをかけられる。
この二人の行方には果たして。
2つ目に、刑事・伊室真治(杉本哲太)を中心とした、警察捜査のリアリティ性。
捜査の展開や、山本美紀(永作博美)を追い詰めていく臨場感をいかに発揮できるかといったところが注目されますね。
3つ目に「沈黙法廷」の題名通り、山本美紀(永作博美)の法廷での演技力や、法廷での話の展開がどこまでドラマとして再現できるかが見どころのひとつになるのかなと。
そして4つ目は、それぞれが抱く、山本美紀(永作博美)は果たして、悪女か、淑女なのか。の行方に最後まで目が離せません。
といったような4点に注目しながら、「沈黙法廷」を観て行くといいんじゃないかなと思います。
沈黙法廷へのキャストの意気込み
永作博美【役:山本美紀】
私が演じる山本美紀という女性はひと言で言うと、とても“地味”な女性です。自分の運命を受け入れ、淡々とした日々を過ごす、そんな緩急のない女性を演じるというのは、実はとても難しいことで……。でも、私自身が歳を重ね、様々な人たちの人生に触れたり、経験を積んできたりしたからこその今、やっとこういう役に挑戦できるのかなと思います。
恐怖と狂気と悲哀が混在する世界に生きるそんな彼女を、私がどう演じていくのかはまだ模索中ですが、この難役にやりがいを感じている自分もおりますので、ぜひ皆さん放送を楽しみにお待ちいただければと思います。
ドラマでは、美紀は、老人の連続不審死の容疑者として裁判にかけられるのですが、声高々に「私は無実です」と叫ぶわけでもなく押し黙ってしまうことから、彼女が“悪女”なのか、“聖女”なのか、周囲の妄想が勝手に膨らんでいきます。恐らく、美紀がどういう人間なのかということを想像しながらご覧になるという点では、美紀を取り巻く登場人物たちと同じ視線でこの作品を楽しめるのかなと思います。
また、佐々木先生の原作は、人は一瞬の小さなことがキッカケで運命が変わってしまうものなのだ、ということを深く考えさせられる作品でした。人との距離感の保ち方ひとつで、周囲からの印象が一変してしまうということが描かれています。本作をご覧になった皆さんが、“人との距離の取り方”について考え直すキッカケになったら嬉しいです
市原隼人【役:高見沢弘志】
主人公の女性に恋をし、愛が芽生え、会えなくなり生まれた心の隙間に突き刺さる事実と真実が虚無感と混ざる中、相手を想い続ける弘志を演じさせて頂きます。生々しい感情が映像の中で生きる事を胸に現場と向き合って行きます。
杉本哲太【役:伊室真治】
今回、演じさせて頂く役は所轄のたたき上げの刑事です。
過去に経験した苦い想いを背負い、自分の信念を貫き、突き進んでいく典型的な所轄の刑事で、臼田さん演じる後輩の西村にも厳しく、時に優しく接していきます。意外にもこういった実直な役はあまり経験がなく、人間臭い刑事をしっかりとつくっていきたいと思います。
また、この作品は、山本美紀という女は一体何者なのか。何がそこまで彼女を追い詰めていくのか。というところが見どころの一つであり、伊室自身もその疑問に大きく動かされていきます。回を追うごとに深まる謎の真相が最終話で明かされる行方を是非、お楽しみください。
田中哲司【役:矢田部完】
原作では、社会の暗部と希望が上手く表現されており、これをドラマにするのはとても大変なことだと感じました。私が演じる矢田部は原作からキャラクターが変更されており、市原さん演じる弘志とのつながりなど、ドラマ版オリジナルで構成された部分も楽しんで頂ければと思います。
また、最後の裁判で山本美紀がどういった人物なのかを紐解いていくところも見どころの一つだと思っています。今回、弁護士役ということで、裁判シーンでは、役者のオーディションをされているみたいで、プレッシャーも感じておりますが、それもまた楽しんで演じていきたいと思います。
沈黙法廷のここまでの見解・考察
各演者さんのコメントを観ていただいてもわかるように、今回の「沈黙法廷」では各立場によって本当に目的や感情のもっていき方が違うドラマなんだなということが見て受け取れます。
中でもやはり主演の永作博美さんに関しては、久しぶりの短編連続ドラマで主演ということもあり、コメントにその意気込みが伝わってきますね。
円熟した今だからこそ演じれるといった様子や、今回の山本美紀役は「地味な女性」「感情にあまり波の役」こういった女性を表現するというのは逆に難しいといったように、撮影をしながらこの役を模索していくということも語っています。
そして、その永作博美さんが演じる山本美紀を愛し続ける、市原隼人さん演じる高見沢弘志。
本当にここは、愛と現実の葛藤の中、それでも彼女を愛し続けるといった、男性心理を突いた率直な演技が求められる役柄だと思います。
ある意味ストレートでいいんだけれども、心の中には見えない彼女も居て、でも抑えきれない感情をどうやって表現していくのかに注目が集まりますね。
沈黙法廷の原作をご紹介
ジャンル:小説 / 国内ミステリー
出版社:新潮社
電子版発売日:2017年05月05日
紙の本の発売:2016年11月
【作品内容】
都内でひとり暮らしの初老男性絞殺死体が発見された。
捜査線上に家事代行業の女性が浮上。
その女性の周囲では他にも複数の男性の不審死が報じられ、マスコミは「またも婚活殺人か?」と騒ぎたてる。
公判では無実を訴える彼女。
しかし証言台で突然黙秘に転じてしまう。
彼女はどうして黙秘をしたのだろうか。
警察小説の雄が挑む新機軸の長編ミステリー。
沈黙法廷の原作の評価や口コミ
見込み捜査に走る一部警察のせいで冤罪に陥れられそうになる女性。にも関わらず,彼女は裁判で黙秘を貫く。前半冗長,後半急転直下というストーリーでこんなに神幅はいらないだろうというのが率直な感想。ただ,新聞小説はペースを掴むのが難しいんだろうなあという同情も。決してつまらないわけではない,ハッピーエンドになりそうな終末もでホッと安心。
これまで警察小説が多かった佐々木譲が、今度は法廷を舞台にした小説。法廷中心ではなく、捜査も含まれているので、純粋に法廷小説ではない。
主人公は犯人とされる女性になるのだろうけれど、その周りの人物もそれぞれ主人公になれそうな気配を漂わせている。
今後も、このような小説が増えてくるのだろうか。期待。
タイトルや帯にも記された「沈黙」の扱いが、もう少し重たく、広くしてもよいのではないかという気はした。
やっと訪れた「沈黙」が、あっという間に破られてしまい、その間の舞台表現が少なかったのが残念。
一人の独居老人の強盗殺人を巡り、前半は事件解決までを警察目線で、後半は裁判の様子をこと細かく描いた500ページを超える力作。犯人と思われる女性の周囲では、何人もの男性が不審死しており、本作の中でも事件名として取り上げられているが、木嶋佳苗を彷彿とさせる。重量感があり、読み応えはたっぷりだけど、タイトルの意味がいまいち分からないところが残念。
沈黙法廷のここまでの見解・考察
作者は直木賞作家でもある、佐々木譲氏。
これだけでも期待してしまいますよね。
そして原作本の評価や感想から考察してみると、文章だけだと映像がないので、主人公の表現を出すといった部分が難しいといった印象をうけました。
やはり法廷での場面が長くなってしまうと、展開がどうしてもスローになってしまったり、アクションを起こすのが難しいんでしょうね。
ストーリーは面白いくて、一番表現したい部分にページ数を割くのもわかります。
ただそのページ数をとった部分を読み手側が、あまりにも長いだったり、間延びしてしまうといった印象を受けてしまうのは非常に残念ですよね。
この記事の引用はこちらを参考にさせていただきました。

沈黙法廷の結末や真犯人とは?
ここでネタバレというか、ドラマの見解を考察していこうと思います。
まず前半部分は主に警察と主人公とのやりとり、そして主人公とその相手役の男性との関係性、さらには一人の独居老人の強盗殺人を巡り、事件解決までを警察側からみていくといった展開になります。
そして後半からは、やはり「沈黙法廷」ということで、登場人物達の内面的な部分が各登場人物の視点によって描かれていくことになるでしょう。
主人公の山本美紀は、けっして色っぽくない女性の役で、仕事は家事代行で意外と性に合っていて、でも生活は苦しい。
恋人はいるが、体の関係のあった年上の男もいたり、お金を借りていたりと。
内情はけっこう複雑な女性なんですよね。
ただ今回その役を演じるのは、永作博美さんということで、おそらく言葉を発しなくてもその感情が映像を伝わってくるんじゃないかなと感じています。
展開をまとめていきます。
まず市原隼人演じる高見沢弘志は突然いなくなった、山本美紀を探し続けます。
次に彼が彼女を見つけたのは連続殺人事件?の公判のときでした。
それから彼は、法廷に通う日々が。
そして彼の前では偽名だった山本さんは、家事代行の仕事をしていて、その代行先の男性が殺されます。
殺しがあったので関係者を拾っていくと、彼女の回りには死亡事故が何件か浮上してきます。
連続殺人?
という流れで、警察が本格的に動き出し、マスコミが騒ぎ立てます。
ここまでが前半部分で、ここからが後半部分へ。
そして山本は結局起訴され、無罪を主張していたのに傍聴席にいた誰かを見て、無罪を言い出せず、黙秘に。
なぜ不利になる黙秘をえらぶのか…
次第に彼女の生活が暴かれていき、その結果、傍聴席に居た男の存在もわかり、最後は殺人事件については彼女は無罪となり真犯人が最後に逮捕されます。
ドラマは大方、この流れで進んでいくことが予想されます。
では彼女の無罪が証明されたということは、代わりに犯人がいるわけですよね。
ここでいう真犯人とはいったい誰なのか?
ドラマはまた違った展開をもってくるのかもしれませんが、相関図から見るとおそらく、殺害された馬場の子供と丸山不動産の丸山が絡んでいることが予想されます。
不動産や遺産のいざこざといったような理由から山本を利用してといったような。
もしくは全く関係のない登場人物がポッと出てくるという可能性もありますが、これに関しては難しい所ですね。
そしてラストに向かっていきます。
山本の無罪が証明されるものの、それによって山本の素性は高見沢にも知られてしまいます。
ここで「そんな山本の素性を知った高見沢は一体、どういった反応を示すのか」「山本を高見沢は受け入れられるのか」といった所に注目が集まりますね。
沈黙法廷/最終話を終えて(ネタバレ注意)
最終話では、法廷で山本美紀と殺害された馬場との関係性を問われます。
そこで沈黙してしまった山本を見て、多くの人は有罪を確信します。
矢田部はそこで高見沢に、裁判で山本のことを証言することを提案します。
高見沢は山本の真実を知ってしまった為、戸惑います。
ですが、高見沢は証言台に立ち、美紀について語り始めます。
そして美紀に対して「どうかあきらめないで」と語りかけます。
その言葉に応えるかのように美紀は馬場との関係性を話し始めます。
美紀は孤独な老人だった馬場を見捨てることができず、それが結果的に高見沢を裏切ることになってしまったために、罪悪感から姿を消したと証言します。
伊室は、美紀を強引に逮捕・送検したことや、マスコミが真実とは異なる勝手なイメージを作り上げたことを非難し、美紀の無実を訴えます。
最終陳述で美紀は、自分が「人を不幸にする人間なんだ、生まれてきてはいけない人間なんだ」と思っていたことを語り、「私は馬場を殺していない」ということを告げます。
最終的に美紀に下された判決は「無罪」でした。
その後の捜査で、馬場の息子・昌樹(尾上寛之)がメイドカフェの開店資金欲しさに馬場を殺害したことを突き止めます。
そしてフェリーに乗って海を渡る山本と高見沢。
ハッピーエンドで終わりを告げました。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回はテレビドラマ「沈黙法廷」について、概要のまとめ、さまざまな目線からの考察や見解をし、最終話までのあらすじを描いていきました。
そして原作についても触れていきました。
このドラマの一番の見どころはなんといっても各登場人物の心の揺れだと思います。
特に主人公、山本美紀の心理ですね。
あとは彼女にどんな過去があり、最終的にはどうなっていくのかといったところでしょうか。
分からない部分を徐々に解き明かしていって、そういうことだったのかと後でつなげる。
簡単にいうと点と点を線でつなげるといった感じですかね。
あと何があろうと一途に彼女のことを想い続ける、高見沢にも私は注目だと思っています。
演じるのが、市原隼人さんということもあり期待してしましたが、やはり期待通りな結果となりました。
山本を演じる永作博美さんも、法廷での最終陳述のシーンなんかは、まさに適役といった感じでした。
あと周りを固める配役にも注目ですね。
なかなか本だけだと表現するのが難しいとの口コミがあったので、今回のドラマはとてもよかったと感じました。
コメント