先日こんなニュースが報道されました…
通院中の60代の女性患者が、処方箋(せん)で指示されたよりも高濃度のセレン製剤を注射して、死亡した。
原因はこのセレン製剤を注射したことによってのものだという。
そして調べていくと、
なんとこのセレン製剤の濃度が医師の処方箋より738倍高いものが病院側のミスで処方されてしまったという。
なんていうことを…
しかも病院側のミスで。
しかも患者さんがなくなってしまったという。
ニュースの詳細はこちらをどうぞ。
そこでちょっと気になったのが、あまり聞き憶えのない「セレン注製剤」という言葉。
今回はそんなセレン注製剤とは何?についてお伝えしていきたいと思います。
セレン注製剤とは?
まずはセレン注製剤の「セレン」について。
セレンとはミネラルの中の必須微量元素のひとつで、ビタミンEと同じような抗酸化作用の働きをします。
細胞膜などに含まれる不飽和脂肪酸は酸化されやすく、
酸化されると過酸化脂質という有害な物質に変わって
組織を老化させ動脈硬化の原因をつくります。
あと過酸化脂質を分解するときに働く酵素の成分で 老化防止にも働き役に立つんです。
また免疫機能を高め癌に対する抑制効果があるとして注目されています。
これら以外にも有害物質が体内に入ると、それと結合して毒性を消すという働きも持っています。
要は、
体内には必要不可欠なもの(=生理機能に必要)で
身体の酸化(老化)の予防になったり、体内に有害物質が入ってきたときの防御にも役立つ物質
ということです。
その「セレン」を注製剤(注射)補給するということですね。
今回はこのセレンの濃度が700倍以上の点滴を病院側が処方してしまい、
それを点滴した患者さんがなくなってしまったという医療事故になってしまいました。
普通だったら亡くなるはずのない治療だったのに、とても残念です。
セレン注製剤が必要な人って?
ではこの「セレン注製剤」が必要な人とはどんな人なのでしょうか?
セレンが欠乏すると、
主に心臓や体の筋肉に障害が起こりやすくなったり、
動脈硬化になりやすくなったりするそうです。
あとがんにも影響があるとのことです。
そして不足も怖いんですが、
実はセレンの過剰の方がもっと怖いらしく、
今回みたく高濃度のセレンが体内に入ると、有毒になり神経障害を引き起こしてしまいます。
今回の事故もこういったようなことが体内で引き起こされてしまったのが原因と思われます。
セレン注製剤/がん治療が注目?
先ほども簡単に「セレンが不足するとがんに影響ある」と触れましたが、
これに関しては、セレンを使っての免疫療法が行なわれています。
免疫療法?と聞くと、
過去の小林麻央さんのニュースが頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
他にも
・民間療法
・ワクチン療法
といった代替療法が話題を呼び、現在もさまざまな情報がいきかっているのが現状です。
では、このセレンを使っての免疫療法については、
どういった方法でおこなわれているのか?
というと、
実際のところは標準治療に合わせて使うといった方法が基本とのことです。
このセレンだけでがんをどうにかといったことは難しいのが現状です。
なので、あくまで
がんの標準治療と併用して免疫治療を行うといった形になります。
今回の医療事故に関しては、
がん治療によるものではないと思いますが、
今回みたいな事故が起こりうる可能性もあるんだということを
治療を受ける側も頭に入れといた方がいいのかもしれないですね。
この記事の引用はこちらを参考にさせていただきました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00000073-asahi-soci
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はセレン注製剤についてご紹介していきました。
あまり聞きなれない名前なので困惑される方も多かったのではないでしょうか。
セレンはもともと体内に必要なミネラルの一種で、生理機能に必要不可欠なものです。
ただ必要以上なものが、体内に入ってきてしまうと有害となって神経障害を引き起こすとのこと。
しかも今回みたく、700倍以上という高濃度なものだとこういった事故につながってしまいます。
一刻も早い、原因究明を願っています。
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